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参考資料3−2−2. カナダ国の船舶検査(仮題−訪問時の手交資科より)
1. 背景
カナダは、多くの管海官庁と同様何年もの間、満載喫水線の確認のような船舶の安全に係わる業務を、承認された船級協会に委託してきた。
近年伝統的な海運国の間に、”危険”と見做される部分に対してポートステート・コントロールのもとで外国船舶を監視するというような、限定された検査の手段を適用しようとの傾向が生じて来た。同時に、船主は外国の荷主に対して直接的に影響する法的負担の軽減を望んでいる。そして運輸大臣は、なおカナダ国民に対して海上輪送システムの安全を守る責務を負っている。
これらの相矛盾する要請に取組むために、船舶安全部局は大手船級協会のような承認された機関に、船舶検査業務をより拡大委託する試みを始めた。
この拡大委託は1988年に最初に試みられ、五大湖で運航される小型のタグやばら積船のような危険の少ない船舶の船体、機関の検査を、ロイド及びAB船級協会が行うことを認めるという法改正が必要であった。そのプログラムには25年の船齢制限が採り入れられ、それを越えた後は全ての検査は船舶安全機構に戻されることとされていた。この船齢制限のために、このプログラムに引込まれた船舶の隻数は1ダース以下になった。
1993年、法令見直しの一環として、管海官庁は船舶検査を含めて船舶安全行政の委譲の拡大を検討することが提起された。
・カナダ船舶法の修正条項には、拡大委譲が許容されることが要請された。
・カナダ政府に代わって船舶安全業務に従事することを望んでいる船級協会との正式な合意書を明示すること、そこには、そのようなプログラムに採り入れられた責任と立場の輪郭を示すこととされた。これに関連して、主管庁に代わってそのような業務を行う承認された機構の最小限の要件のための参考がIMOのガイドラインとして検討されている。
・必要な法定検査を、カナダ政府の代りに船級協会にして貫いたい船主との更なる協議の必要性があること。
・最後に、カナダ運輸省・海洋安全グループ内部における、我々に代わり実施される委託業務の監視のためのオーデイットまたは品質保証の可能性を創作すること。

 

2. 現在の状況
・カナダ船舶法の必要な修正は現在立法手続き中であり、今後12ヵ月内に発効することが期待されている。
・一般的な合意書が案の形となって利用可能であり、5〜6の主要船級協会との間で協議が持たれている。この主要船級協会とはここカナダで活動していて、このプログラムに参加することに関心があるところである。これらの組織は、管海官庁に代わり業務を行う承認された機関としてのIMOの要件を一

 

 

 

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